物事は一側面からだけ見るべきではない

今朝のニュースで格安航空(LCC)のバニラエアに車椅子で搭乗しようとした障害者の方が搭乗を拒否された挙句、タラップを這って登らされたという問題を報じていた。最初、メディア側の伝え方だけを鵜呑みにして聞いていると、あたかもバニラエアが非人道的で冷酷無比な会社のように感じる。おおよそ大半の視聴者がそう思っているだろう。

しかし、よく調べてみると、この当事者の車椅子の男性はバリアフリー研究所を名乗る団体の代表で過去にも様々なトラブルを起こしていることが判明した。確かに、内容をよく見てみると、航空会社側は予約時に次のような注意を促している。

 

 

なぜならバニラエアは格安運賃ゆえにそういった設備も整備されてなく、最小人員で回しているのでそのような介助が出来る余裕がないのである。だから5日前までに連絡をお願いしたいとバニラエア側は記しているのだ。それを車椅子であることを事前に連絡もせず強引に搭乗しようとしたこの男性に問題はないのか?もし、十分な介助を期待するなら、受入れ態勢が万全なANAなどの大手航空会社を選択すべきではなかったのか?メディアが詳細な調査も満足にせず、表層的な部分だけをすくい上げて、あたかも一方だけ悪者扱いするのは最近の手法であるが、この件に関しても、その事実を問題視しないのは報道に携わる者の怠慢という他はない。
もちろん、バリアフリーが当たり前の昨今において、障害者の方が搭乗出来る受け入れ体制を整備していない航空会社側にも責任の一端がないとも言えない。どちらにも言い分はあるだろう。しかし、ルール一辺倒の対応ではなく、状況に応じてもっと柔軟に対応出来ないものか。もし、この男性に対して航空会社のスタッフが最大限の誠意を尽くして配慮していたなら、最高の航空会社と逆に感謝されていたかもしれない。

相手に対して知的・感情的に動くのではなく、常に相手の気持ちを思いやる慈悲の心でお互いが接してほしいものだ。そうすれば、物事はもっとより良く解決出来るだろうし、こういう後味の悪いトラブルには発展しないだろう。

 

物事というのは多角的な性質を有するものであり、一側面のみに光を当てて見るものではない。一側面にだけ囚われていては大事なものを見失ってしまう。それは武術も然り。技法というのは、そんなに単純であるはずがない。その中に含まれる性質やその技の目的、その技が組み立てられた理由など複雑に絡み合っている理合を多方面から理解することが肝要である。

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